当院の施術のおおよその流れは、先ず仙骨部とその周辺をほぐし、次に首下から腰までの背骨の両側をほぐし、次に脳幹周辺（後頭部下部の左耳後ろから右耳後ろにかけてのエリア）と首をほぐします。

生命活動の中枢を担う「脳幹」は、頸椎の1番と2番に一部が入った状態にある親指大の脳です。そのため、首の筋肉や脳幹周辺の緊張は、脳幹への血流を阻害したり、頸椎の歪みとなって脳幹を圧迫し、脳幹の機能を低下させると考えられるのです。

そうすると、脳幹をおおいかぶさるように位置する大脳も、興奮状態が鎮（しず）まならないことが考えられます。

何故そのようなことが言えるかというと、パニック障害やうつ病などで当院の施術を受けた方が、2回目、3回目の施術に見えた時に、「あまり考え過ぎなくなりました。」とか、「あまり変なことを長々と考えなくなりました。」と言われることがその理由です。

それは、脳幹の機能が正常化した結果、大脳の興奮も鎮まったことを意味するととらえられます。

それでは、ここで改めて脳幹の機能についてまとめてみましょう。
脳幹は、次の4つのしくみの司令塔として働いています。
①自律神経系
②免疫系
③内分泌系
④脊髄・筋肉系

当院の施術では、独自の手技で気持ち良くほぐしたあと、遠赤外線熱のビワ温灸によって、さらに気持ち良く温めます。脳幹周辺であったり、首下から腰までの特に硬結した部位であったり。

この、気持ち良く「ジワーッと温める」ということも、パニック障害やうつ症状には大切なのです。ほぐして体の緊張がゆるんだところを温めるというのは、究極のリラクゼーションと言えます。
ビワの葉のエキスが蒸気になって温める温灸自体にもほぐしの作用があり、同時に鎮痛作用もあります。

脳幹の機能正常化によって、「あまり考え過ぎなくなる」ことで不眠も改善に向かいます。
ただ、首から腰部・臀部（呼吸器系と胃腸系）までの硬結のほぐれが不十分な段階ではまだ深い睡眠には至りません。

パニックにしてもウツにしても、深い睡眠（深睡眠）が得られる状態になることが重要なのです。

（つづく）

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