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九十九屋さんたの妖怪古今録

手賀沼の主

手賀沼の主は、うなぎ?それとも…

手賀沼は、現在ウナギが年1トンあまりとれますが、昔は今よりも多くのウナギが取れたといわれます。そんなウナギが祟ったという話も残っています。

昔、ある漁師が手賀沼で、三貫目(11.25キログラム)もある大きなうなぎを釣り上げました。普通のウナギの大きさを考えればまさに怪物といえます。結局、買い手がつかぬまま、ウナギは死んでしまいました。そこで供養のために塚をたてました。塚が立つというのは変わらないのですが、釣り上げた漁師が亡くなってしまう場合や、主が人間にばける伝承のものもあります。

さて、手賀沼の主の伝承をもうひとつ。

昔、阿比古の里に若い僧侶が来て、人々の尊崇を集めましたが、誰も食事姿を見たことがありませんでした。ある時、「我が孫や子よ、健やかなれ」という文字を残し、白い牡牛と共に姿を消してしまいました。それから「阿比古」を「我孫子」と書くようになったというのですが、その牛が手賀沼の主だったというのです。

 牛が主などいいますと奇妙で、どちらかといえば竜や蛇という感じだと思いますよね。ところが、全国の水辺に、牛に関わる伝承が残っています。
 有名なところでは山口や和歌山の海辺に出たという牛鬼というものがいます。また、静岡の東上村近くの雌滝に出たという巨大な黄牛、岐阜の上宝村で出ると旱魃を起きたという黒い斑のある牛がいます。
 どうしてこのように水辺と牛が関わるのでしょうか。それはまた次回に。
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